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Disc-3 Pied Piper / the pillows - 2014.12.07 Sun

今回は個人的に思い入れがあり大好きなアルバムである
the pillowsのアルバム「Pied Piper」について、個人的な感想とレビューを。

PIED PIPER(初回限定盤)(DVD付)PIED PIPER(初回限定盤)(DVD付)
(2008/06/25)
the pillows

商品詳細を見る

Pied Piper / the pillows
発売日 2008年6月25日
規格品番 AVCD-38937B
レーベル avex trax

レーベルをキングレコードからavex traxに移籍後の
前作「wake up! wake up! wake up!」に引き続き2枚目のアルバム。
バンド自身としては15枚目のアルバムとなる。

今作以前のアルバムではオルタナティブロックを強く感じましたが、
本作品では全体を通してポップで聞きやすい流れと作品になっていると感じます。
しかし、だからといってロックでないかというと、勿論そうではなく、
the pillowsの根底にある確かなロックが作品を通して強く根付いていることが感じられます。

「ハーメルンの笛吹き男」の意である「Pied Piper」と題されたこのアルバム。
ハーメルンの笛吹き男はその笛の音色で街中の子供達を魅了し、連れて行ってしまいます。

前作「wake up! wake up! wake up!」はタイトル通り、avexに移籍しても彼らは何ら変わらずに
「自分たちの音楽で生ぬるい音楽に浸った奴らを目覚めさせてやる」という意味が
込められていましたが、今作も前作に引き続き、自らの音楽、長年信じ貫いてきた
「彼らのロック」で聴くものを魅了し「俺たちについて来い」と言わんばかりの姿勢を感じます。

1.Pied Piper



本作の表題曲であり、アルバムのトップを飾るこの曲。
艶やかな音色、それこそハーメルンの笛吹き男の笛の音のようなゆったりとした
また、幻を見ているかのようなギターから曲が始まったかと思えば、
イントロに待っていたのはなんと4拍子と5拍子の変拍子。

そしてサビで歌われる歌詞。
「キミを連れて行くって決めたんだ。悪いけど。」
pillowsのほぼすべての楽曲の作詞を担当するさわおさんの性格とthe pillowsの性格が
とても良く現れている気がする。
もうこの曲を聴いてる時点でキミに選択権はなく、the pillowsに連れて行かれてしまうんですね。
ロックの世界へ。
そしてそのセリフに続いて歌われる「悪いけど」の一言がまた憎くカッコいいです。笑


2.New Animal



the pillows27枚目のシングルとしてリリースされたタイトルでもあり、
the pillowsの突き抜けるロックを純粋に感じさせるナンバー。

イントロでまず始まるギターは、一つのコードを荒々しくならしている様に聴こえる反面、
一つのコードにも関わらず様々な表情が見える気がします。
そして更にギター、ぴーちゃん独特の雰囲気を出すギターが加わる。
イントロからpillows節前回の展開で曲は進み、周りの色に染まらず我が道を信じ、
進み、そして少しずつ、確実に認められてきた彼ら自身を歌っています。

「誰かになりたいわけじゃなくて今より自分を信じたいだけ」
「審査員は自分自身の他に誰もいらない」
「何度も躓いているうちに、羽がなくても飛ぶ気になったのさ」
そう力強く歌うその歌詞には、まぎれもなく20年以上信じて己の道を来た
the pillowsというバンドがロックンロールを信じてここまで来た情熱が感じられます。

New Animalというタイトルは、彼ら自身、バンド自身を形容しているのでしょうか。

3.No Surrender

the pillows渾身の爆発力のあるロックンロールナンバー。
アルバムリリース後のツアーから、常にライブのスタートや着火点として
重要な役割を果たしていた曲です。

「No Surrender」は「降伏はしない」「引き渡しはしない」という意味。
冒頭でも語ったこのアルバムのコンセプトにもガッチリ一致し、
そこからも彼らにとっても重要な位置にある曲なのではないでしょうか。

そしてサビでも歌われるこのフレーズ。

「Baby 傷つくなよ
汚れきった世界から
必ず連れ出してみせる」

こうして、やはり彼らは彼らのロックンロールの世界へ連れて行ってくれるのです。
ライブではサビ中の掛け声「don't cry prisoner」は観客が大合唱し、
一体感も増して盛り上がる。。。

因みにこの"prisoner"は11枚目のアルバム「penalty life」で歌われている、
「ロックからもう逃れることのできない囚人」を表しているのでないでしょうか。

4.Last Holiday



3曲目までの怒涛のpillowsロックンロールをかき鳴らしてきたと思えば、
4曲目で一転、「明日で世界が終わるなら」と優しく歌い始めるバラードが始まる。
声の力強さのせいか、不思議とこの急展開な流れに違和感を感じることなく入ってくる。

そしてこの曲もまた珠玉の名曲ではないか。
気が狂う前の楽曲「smile」のような優しさと綺麗に流れるpillowsが感じられる。

5.Tokyo Zombie (The knock came at dead of night)

the pillowsのアルバムお決まりのインストナンバー。
12枚目のアルバム「GOOD DREAMS」のインストナンバー「BAD DREAMS」を
彷彿とさせるTokyo Bambiに対するようなタイトルのこの曲。

インストということもあり、またこれに続く曲「Across the metropolis」とも合わさり、
アルバムを通して前半と後半を分けるような曲です。

しかし、本当にうまい。前半のスムーズな流れに対し前曲からの雰囲気をくみ取り、
自然と少しずつ再燃し湧き上がるロックンロールを感じさせます。
地面からゾンビが這い出してくる風景が浮かびそうなダークで幻想的な曲ですね。

6.Across the metropolis

前曲に引き続くこの曲は先行シングル「Tokyo Bambi」ですでに発表されている曲。
Tokyo Bambiのシングルからは表題曲と「Go! Go! Jupiter」の二曲ががPVが作成されており
この曲はB面的立ち位置だったこの曲。

アルバムの詳細が発表され、曲順にこの曲が載せられているのを見た時は「なぜ!?」
と思わざるを得なかったのですが、アルバムを聴いてみて納得。

シングルとは全く違う表情を見せるし、アルバムの流れを潤滑にスムーズにしているし、
確かにシングルの端っこに置いておくにはもったいないナンバーに感じます。
霞がかかったように悲しく、とても綺麗な曲です。

7.Purple Apple

そしてまだまだロックンロールは終わらないぜ!
と言わんばかりに始まるロックンロール。

しかし歌が始まると少しコミカルにミニマルな曲が展開していく。
うまく表現できないが、たまに顔を出すpillows節全開の可愛いロックだ。
バンド同士交友の深い怒髪天の男らしいコーラス、間奏で流れる
小鳥のさえずりのような口笛。可愛く遊び心も有りなロックンロールだ。
the pillows以外でこんなロックを見たことがない。

8.Tokyo Bambi



自身26枚目のシングルとして発表した同曲。
イントロから東京スカパラダイスオーケストラのホーン部隊による軽やかで
POPでキャッチーな彼らには珍しい鮮やかな音が舞う。

少しおどけたように鳴らされるバックギターにのせて、ぴーちゃん特有の
艶やかなギターが度々顔を出す。
the pillowsの中でも随一のキャッチーなナンバーだが、中身はさわお節全開だ。

「聞こえたかい I need you so my darling キミと幸せになる」

と歌われる歌詞。「キミと幸せになる」と言い切ってしまっているのが彼らしく、力強い。
上に載せたが曲のPVはひたすらはしゃぐさわおさんがひたすら可愛い。
そしてPVとしては珍しくサポートメンバー(ほぼ正規メンバーのようなものだが)である
ベースの鈴木淳が前面に映し出されてる。

9.Ladybird girl

前曲に引き続き25枚目のシングルとして先行リリースされている曲。
ラブソング全開のナンバーです。

綺麗なギターのイントロと歌の内容とは裏腹に、曲中も楽器陣はひたすらロックンロール。
ひたすらに純粋でまっすぐなラブソングがこんなに疾走感あるロックでいいのか!
と思ってしまうほどの歌詞なのがまた素敵すぎます。

「Is this love? This is love!
キミに会いたいな
理由がなくちゃすぐ会えないなら 何か考えなきゃ」

歌詞だけ見るとこんなにかわいいまっすぐなラブソングなのに!
個人的には今作トップ争いの名曲です。

10.That's a wonderful world (song for Hermit)

そして終わりを迎えたかのような、エンドロールが流れるように始まる同曲。
しかし始まりとは一転、この曲もまたPOPで可愛らしさを感じるナンバー。

実業家ビル・ゲイツ氏からRadioheadのボーカルであるトム・ヨーク氏まで
果てはカメレオンまで、さまざまな名詞が飛び出してきます。

カメレオン、ダイナソーは過去の楽曲を指しているのかな?
となるとスコーピオンは彼ら自身で歌っている曲はないことからスコーピオンズの
事なのでしょうか。
そしてもう一つ気になるのは、同曲のタイトルでもあり、終盤でも歌われている
「あのすばらしき世界」というフレーズ。「この」ではなく「あの」?
これから皆を、リスナーも過去の楽曲も各界の有名人も皆引き連れて行く
ロックンロールの世界のことなのでしょうか。

11.POISON ROCK'N'ROLL

そしてラストを飾るのはこのアルバムのラストにふさわしいこの曲。
タイトルからもうすでに。ロックンロールからは逃れられない、
中毒性の高いものでありますもんね。
そして歌詞もまたさわお氏の世界観全開の内容です。

サビは訳すと「俺は傍で歌いたい。そう君の傍で!ロックンロールを奏でるんだ!」
と歌っています。彼らの思う全てを吐き出すラストの曲。

この曲は記念すべき彼らのキャリア20周年となる結成日に行われた
武道館ライブで、3度も行われたアンコールの一番最後に披露されました。
彼らのロックンロールに毒されて抜け出せない人は確実に、増えていますね。


~~~~~~~~~~~

11曲を通して、全てが全て違う表情を見せながらもアルバムとして一貫した彼らの思いがあります。
どの曲をとっても全部いい!といえる大好きなアルバムでした。
the pillowsの中ではキャッチーな曲も彼らのロックンロールが詰まった曲も多くあり、
導入にもおすすめできる名盤であると思います。

ぜひぜひ。
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